父からのクリスマスカードが出てきた。
もう、何十年前?
私が20代の頃のクリスマスカードだ。
父は筆まめで単身赴任の時にはせっせと手紙をくれた。
誕生日やクリスマスにはカードと共にお小遣いを入れてくれていた。
当時の私はカードや手紙より同封されているお小遣いだけ抜き取っていたという親不孝な娘だった。
ある程度の年齢になると父も娘のクリスマスプレゼントに何を買っていいのか?わからないのだろう。
ある時から、現金になった。
それの方が私が嬉しいのはもちろんだった。
センスのない父ができる限りの頑張りでいろんなカードを選んではメッセージを書いてくれた。
でも当時は何も私には響かなかった。
キザっちく英語で書かれていたり。
下手なサインが書かれていたり。
毎年のように、カードとそこにお小遣いをいれて娘たちに贈ってくれていた。
そんなカードの1枚がたまたま、断捨離をしていて見つかった。
あれから何十年?
さすがに今の私は20代のようには思えない。
今の父は歩くのもやっと。
ほとんど車椅子になっているし、ご飯も普通食が食べられない。
下の世話もしてもらいつつある。
ずいぶんとあの頃の父とは変わってしまった。
時の流れと老化というものにはあらがえない。
昔の父のこのカードと今の父の様子を思うとちょっと切なくなる。
今は私のほうが、おやつを届けたり、通院に同伴するようになってしまった。
ああ、昔は父なりに大事にしてくれたんだ。
そして昔は頼りにして、脛をかじりまくっていたんだ。
でも、今は仕方ない。
それが人生というものなのだと痛感した。
いけ好かない所もあったけど、それなりに大切にしてもらったんだ。
ということがよくわかる。
今度は私が大切にする立場なんだね。
でも父のように優しくできなくてごめんよ。