4年半前(2019年)に母ががんの手術をして入院した間に戦ったゴミ屋敷との記録だ。
このために私は介護休業をとって日の出から日没まで寒い1月に戦った。
それが、今は元の木阿弥に戻っているのだから、やりきれない・・・。
***************************************************************
◆1日目◆
普通、親が「がん」になりました。
というのは、2人に1人は「がん」に罹患する現代では、そう珍しいことではない。
でも、両親が同時に「がん告知」されるというのは、タイミング的にも結構、レアだと思う。
で、「がんの闘病」というのも大変だけど・・・
うちには最大の「壁」というか?「難関」がある。
両親を病院やショートステイから実家に戻す前に家をかたづけないといけない。ということだ。
これも単なる「かたづけ」なら、普通にあると思う。
でも、実家は・・・「ごみ屋敷」なので、ここが最大の難関だ。
この「ごみ屋敷」については、病的なものを感じているが、親にも「みえ」があり、ケアマネさんや人にはこの現実を見せていないので、今までは見て見ぬふりをしてきた。
年々、浸食されていく様子を見ながら・・・。
でも、今回は、この「ごみ屋敷」に術後の親が帰ってくるのは不可能だ。と思い、ケアマネさんに相談した。
といっても、母が入院するまではケアマネさんは現場を見たことはなく・・。
どんなに説明しても、百聞は一見にしかずなので、現場を見るまではケアマネさんもどの程度か?ということがわからなかった。
年明け早々の入院と同時に現場を見てもらって・・・
普段、やさしげなケアマネさんからも・・・
「ごめんなさい。わたしが娘なら片づけます。
わたし1人では判断しきれなかったので、施設にいる他のケアマネ数名にも聞いてみました。
で、総意が・・・
必要とあれば、恨まれても怒らせても住環境は作るってことでした。」
と言われて、ケアマネさんから紹介された「かたづけ業者」の爺ちゃんを雇い「ゴミ屋敷」との戦いがはじまった。
まずは、台所から・・。
足の踏み場もないコンロ前でどうやって、今後、調理をするのか?
娘らも無理だ!と思っていた。
まず、裏口から、買いためされたものを全部!だしてもらう。
もう、信じられない光景になってきた。
でるわ。でるわ。でるわ。
賞味期限のきれた調味料たち。
業者のおじさんも最初は・・
「よく買いこんだね。お母さん」
なんて笑って言っていたが、だんだん無言になる。
賞味期限で、廃棄と分別していくが、追いつかない。。。
そして、壊れたままだった開かずのフリーザーは、フリーザーごと廃棄したい!といって、開けてもらったら・・・
怖すぎる。。
電気が壊れて、腐敗した食物が・・・・
数年たっている。
これも全廃棄。
開かずの床下収納やら、床に積み上がった調味料やら、缶詰やら・・・
とにかく食べ物たちが・・・
それも数年前の賞味期限のものたちが、、、、、、
どれだけ、掘っても掘っても、果てが見えないって感じで・・・。
業者2人のおじいちゃんと私が無言になっていった。
前にダスキンのメリーメイドをやっていた友人が同じように「ゴミ屋敷」を分別に行った時、言われたのが・・・
「ああいうのは、身内がやってはダメ。
お金をもらっているから、出来るけど、身内がやると憎しみしかわいてこないから!」
と言っていた言葉がよみがえってきた。
もう、憎しみすら通り越して、「無」の世界にいってしまったけど・・・。
「台所はモノが多いけど、おたくは、桁はずれだね。」と業者の爺ちゃんに言われる。
賞味期限切れのものは出したけど・・・・
全然、片付かないまま、次、「座敷」に移っていくのであった。
これの疲労度は、半端ではない。
背中も腰も痛くなり、翌日、立ち上がれない私である。
初日 台所との格闘。6時間。