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鈴 真由.の徒然なる介護日記

最後の定期通院

12月の終わりに泌尿器科の定期通院があった。

前回の大動脈瘤のための通院がとっても大変だったので、今回は父には通院時におむつをがっちりつけて院内でのトイレ介助をなくするようにした。

父はおむつを嫌がっていて、施設内ではいまだに紙パンツですら許可がいるくらい履かないので。

 

「娘さんが通院時にトイレ介助するのが大変なので通院外出の時だけおむつをしてください。って言われているのでオムツをしましょうね。」

 

とお願い形式で父に促してもらった。

 

介護おむつをすれば1200CCの尿量も受け止められるし、紙パンツとちがって横漏れもガッチリガードする形なので前回のように万が一、便失禁があっても漏れることはないと伺った。

ただ、がっちり装着するため途中でおむつを交換するのは難しく、多目的トイレで立って交換することはできないので、どこかでベットを借りて横になって交換するしかないらしい。

なので、通院中はトイレはおむつにしてもらう!

トイレは行かないでおむつでしてもらう!ということになる。

ヘルパーさんが万が一に備えて、おむつの替えとパットとお手拭きなどを私に持たせてくれた。

 

泌尿器科の通院は前回と違って予約をとってあるので多少の時間のずれはあるけれど前のように何時間も待つことはないと思う。

なので前回よりは楽になるとは思うのだが、やはり車椅子から車への移乗が苦戦する。

 

施設出発時と施設に戻り時はヘルパーさんに頼んで移乗の手伝いをしてもらったのだが、今回も病院の入り口には案内のおじさんがいないため自力で車椅子に乗り換えさせないといけなかった。

とりあえず、方法は違っているかもしれないが汗だくになりながら、車椅子にのりかえさせて診察に向かった。

 

もう一つ、難題があったのが、泌尿器科なので尿検査があったのだ。

本当なら尿をためて病院で採尿する形式なのだが、ガッチリおむつでは検尿もとれない。

前は自力で採尿できていたが、今は便器への移乗もギリギリだし、座ってのトイレになるためとても自力で採尿ができるとは思えない。

なので、事前に病院に相談して朝、施設で採尿してもらう採尿キッドをもらい施設での採尿をお願いした。

父は尿を貯められないので、最悪朝一の尿でもいいか?と思ったのだが、朝の採尿がとれなくて、前夜の23時の採尿になってしまった。

ヘルパーさんが頑張ってくれたので何も言えない。

 

病院の検査室で検体を渡して事情を説明する。

前の晩の尿でいいのか?確認してから検査に回してもらった。

看護師さんが

 

「次回も持ち込み?採尿になりますかね?

検査キット、お渡ししておきましょうか?」

 

と気を使ってくれて採尿キットをもらってくる。

 

そして泌尿器科の定期観察の診察は

一応、尿検査の結果報告 → 血尿もなかった

あとは父に

「最近どうですか?」

と聞くだけ。

父はウゴモゴ答えて終わり。

本当なら次回の3月に半年後のCT検査なのだが、最近、通院のレベルがめちゃくちゃ大変になった。と医者に伝えると

 

「経過観察はしていますが、何かあっても処置もできないので無理に通院しなくてもいいですよ。

この年齢になってくると癌が進行するというより、脳血管や心臓で何かあることが多いし、大動脈瘤も破裂するとはいわれていますが、ほとんど破裂しないのであとは急変した時に救急に対応してもらうほうがいいでしょう。

心筋梗塞や大動脈瘤の場合は普通に救急車対応で。

血尿などの場合はお電話くれて連れてこられるなら直接きてもらえばいいから、次の予約は辞めておきましょう。」

 

ということになり5年近くに及ぶ泌尿器科の腎細胞がんの定期通院に終止符が打たれた。

 

 

何も積極的治療をしていないので、病状が回復したわけでも完治したわけでもなく。

とくに処置もできないのでお終いという、複雑な最後になった。

 

前(実家にいたころ)は通院を何日も前から楽しみ?にしていたのだが、最近は父もつらいのだろう。

本人も

「通院したくない」

といいだした。

 

5年間、3カ月おきに日程を調整して父と通った病院。

(循環器も通ったので毎月のように通った。)

渦中は面倒でなぜ?私だけ?と思ったけど、それも出来なくなると思うと何とも言えない気持ちが心にわいてきた。

先ほど、もらった次回の採尿キッドだけが残ったが、次回はない。

なんだか複雑な気持ちで父を施設に送っていったのだった。

これもやった人にしかわからない切なさなんだろうな。

 

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