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鈴 真由.の徒然なる介護日記

大動脈瘤(2)

通院の朝、車いすから私の車への移乗は思った通り、前より大変で・・・

ヘルパーさんに手伝ってもらってなんとか車に乗せて病院へ向かった。

病院側にはエントランス受付のおじさんがいたはずなので、最悪、この方の手を借りようと思っていたら今日は誰もいなくて・・

自力で車から車椅子へ移乗させて、父を病院の受付近くに置いてから車を駐車場に移動させた。

 

初診扱いになっていたので、受付作業も多くこの間も父は入口近くに車椅子で置いたままだ。

なんとか初診受付をして診察受付まで行くとめちゃくちゃ混んでいる。

最近はコロナ禍で病院の通院患者が減っていたのにこの日はコロナ前より混んでいる。

駐車場も過去一の混み具合で私はいや~な予感しかしなかった。

 

「今日は時間、かかるからね。」

 

と父には言っておいたが本日、無反応。

いつもなら30分でトイレ!と言ってくるのにこれも無反応。

 

「トイレ大丈夫?」

 

と聞いても混みすぎていて車椅子で動くのが大変なので困ってしまった。

 

父は失禁をしてしまう今でも布パンツにこだわっていて、施設でも昼間は布パンツを使ってくれているそうなのだが今回の通院外出は待ち時間も長くなるのがわかっていたので準備の段階で紙パンツをはかせてもらうよう頼んでいた。

だから多少の失禁は大丈夫だろうとは思っていたが、いつも頻尿で「トイレ。トイレ。」言う人が何も言わないのも怖いものがある。

 

1時間半くらいしたとき

 

父が「トイレ行きたい」ようなことを言い出したので多目的トイレまで連れていく。

この前も多目的トイレで結構、苦戦したのだが大丈夫か?と思いつつ・・

紙パンツってどうなっているんだ??と思いつつ・・・

 

車椅子から便器への移乗ができるか?

どのタイミングでズボンを下せるのか?

と考えながら狭い多目的トイレで対応すると・・・

なんと!!便を漏らしていた!!

 

「え!!ウンチだったの?」

 

と聞く前に目の前の紙パンツに便。

そして、パンツを下げるときに私も父も手が便まみれ。。

ショックだけどショックだなんて言っていられない。

なんとか便器に座ってもらって用を足し、この紙パンツ、どうしよう。と迫られる。

 

施設の人が紙パンツの中にパッドを重ねていてくれたので、とりあえずパッドだけ捨てて汚れがついている紙パンツはそのままはいてもらってトイレ1回目を済ます。

臭いもあるのに待合室にいて大丈夫か?私の方が不安になる。

いろいろショックだが診察待ちを続けないといけない。

予約なしの診察はこのレベルの老人にはきつすぎる・・。

 

2時間近く待って診察室にはいる。

CTデータは共用できるので、過去5年近いCTを見てくれたら、なんと!5年近く前の泌尿器初診時から骨盤内に動脈瘤はあった!!

そして、少しづつ大きくなっている。

ガンと同じだ。

処置としては破裂すると大出血を起こし、そこから手術をすると延命が難しくなるので予防のために動脈瘤をとる手術を勧めるが年齢と状況から経過観察をすることになる。

そうなると何もすることはなく、血圧コントロールで高血圧を下げる薬を変わらず飲むしかないといわれる。

 

今の病院は分科されているから泌尿器科は腎臓や膀胱しか看ないわけ。

専門外の大動脈瘤は看ないわけ。

医者だから、気づくこともあるんだろうけど、5年間気づかなかったのだろうか?

まあ、5年前にガンと大動脈瘤の両方を告知されても同じように経過観察だったろうけど・・・。

同じ腹部CTや同じ腹部MRIを何年も撮っていてもわからないのだろうか・・・。

と現代医療にいちまつの不満を感じつつ、思った通り経過観察になる。

 

何もしないで5年近く、生きてきたのだからやはり父は強運だし、強いんだけど。。

 

経過観察で何もしない証明の情報提供書をお願いしてやっとお会計に進む。

この「何もしない確定」までくるのに今日の通院はどえらい大変だったんだけど・・・。

 

診察が終わってからお会計までにさらにトイレ2回目の戦いがあり、

お会計のあとは、車への移乗という戦いがあり

施設のお昼ご飯が14時までに戻らないと廃棄になってしまう時間的な焦りもあり

この通院は本当、きつかった。

 

移動に移乗にトイレ介助に。。

肉体的にもきつかったが、便をもらしてしまっても何も言わなくなった父の姿や

自分でお尻も拭けなくなった父の姿を見るのが精神的にとてもきつかった。

ウンチの臭さより強烈にきつかった。

そして、こういう下の世話をヘルパーさんや施設の方に任せているんだということを目の当たりにさせられた。

 

父の体の中には、脳梗塞後遺症の右麻痺に腎細胞がん。

動脈瘤

どんどんと爆弾が増えていく・・。

いつ爆発してもおかしくない爆弾が増えていく。

これが老いってものなんだね。

なんかすごい疲労と言葉もなく父を施設に送ってから帰途についた。

 

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