ちまたで流行っている特殊詐欺。
市内放送でも毎日、注意喚起されているし、NHKでも19時前に注意コーナーがあるほど
「気を付けよう!」と言われている特殊詐欺にまさか自分の母がひっかかるとは思うまい・・。
ひっかかったのだ。
2月末に。
いつものように仕事帰りに私が実家によると、夕飯の準備をしながら母が言う。
「ちょっと変なことがあったの・・・」と。
「何?」と聞き返すと
その日の昼間に市役所の人から電話があり、「還付金があるのにお宅は請求がまだです。」
と言うのだそうな。
7000円くらい還付があるのに手続きができていないから連絡した。
そして、そのあと、地元の信金の人から電話があり、
「還付金の手続きがまだなので、こちらで手配します」
と言い、キャッシュカードの番号を聞かれたという。
迷うことない還付金詐欺だろう!!
母は丸っとキャッシュカードの口座番号から暗証番号からキャッシュカードに付帯した
クレジットカードの番号まで電話で教えてしまっていた!!
そして、怖いことに母が疑問に思ったのはそこじゃなくて・・
「今日って祝日よね?
銀行、やっていたっけ?」ってところだった。
そうです。
電話があったのは祝日の昼間で、、
ちょっと考えれば市役所も信金からも電話がくるわけはないのだ。
これを聞いて、わたしが悲鳴をあげた。
もう、これ、「ぎゃああああ~~!!」しか言えない。
これを聞いたのは夜だし、こんな典型的な還付金詐欺に自分の親が引っかかるとは思わないから!
とっさに私は警察に電話をした。
110は初めてかけた。
「こちらでいいですか?」と聞いてから通報すると
「ここでいいですよ」とは言ってくれたが、110にかけると地域の通信指令室に行ってしまうのだ。
なので、指令室から所轄の警察にトップダウンされて折り返しの電話が警察から来た。
そしていろいろと事情聴取された。
私は、母が教えた信金のATMに走って、お金が引き下ろされていないか?
を確認してその日に下せる限度額まで1度おろして口座にロックをかけた。
そして、翌日は信金に行ってキャッシュカードの作りなおしとカードの使用停止の手続きをする。
クレカ会社に連絡してクレカを止めるなどの銀行対応に走った。
(父名義の変更をかけるのは、今の時代、契約者でないととても難しくて、これはこれで大変だった)
幸いにして被害額は出なかったのだが、まさかこんなに簡単な手口に母がひっかかるとは思わず、そっちのほうがショックだった。
数年前も百貨店を語った特殊詐欺電話がかかってきたのだが、その時は母が
「キャッシュカードの番号なんて教えるわけないじゃない!」
と言い切っていたのに、今回は見事に教えている。
これも加齢による判断力の低下なのか・・
娘として悲しくなった。
そして母の事後対応に走るのも娘の役目なのか・・・
と涙が出た。
職場では上司にも笑われたが私には笑えない現実だった。